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★ 日経ビジネスアソシエ ムック 06.09
仕事ができる人の話し方


アソシエムック
社長こそ腰を低く

《文化を超えて好かれるには》
社長こそ腰を低く

ブラウザーのアドレスバーにそのまま日本語を入力して検索できるサービスを展開するJWord。同社のトップは翁永飆社長と沈海寅社長の2人の中国人企業家だ。「この2人ならどこまででもついていける」。こんな声が社員から続出するほど両社長への信頼は厚い。互いの信頼関係の強さが社員の定着率の高さに表れている。ベンチャー企業では社員の入れ替わりが激しいケースも多いが、JWordでは辞める社員がほとんどいない。
その背景には「会社は家族である」という、アットホームな社風がある。社長は本気で社員のことを思いやる。社員ののっぴきならない理由で会社を休まなければならない時には、社長自身が休んだ社員に代わって仕事をするほどだ。

自分の給料を引き下げた
ベンチャーらしく自主性尊重の精神も徹底している。沈社長は、社員が失敗しそうな時でも、あえて指摘しないことが多い。失敗してこそ、知恵が生まれるからだ。「自分の役目は『ここが限界だ』と社員が煮詰まらないよう手を貸すこと。社員を信頼する」(沈社長)
今の自由闊達な社風が生まれたのは、両社長が異国で起業したこととも関係あるようだ。創業期は、日本人社員に自主的に走ってもらわなければ仕事が前に進まない状態だった。社員も社長も関係なく、地べたを這いずり回るようにハードな仕事をした。
「役割は違っても、みんな仲間だ。社員には肩書きで呼んでほしくない」と翁社長は語気を強める。
ここまで来るには紆余曲折があった。最大の危機はそれまで手がけていたシステム開発受託事業などを全てやめ、検索サービス事業に特化する決断をした時だった。半年間入金がなかった。人を切ることもできたが、それはせずに我慢しようと呼びかけた。約20人(当時)の社員は皆状況を理解し、自分の給料を引き下げた。
「あの時、心の底から感謝した。逆境に全力で働いてくれた恩義を、これっぽっちも忘れていない」(翁社長)。社員も最大の危機に必死で資金を手当てし社員を守った社長を誇らしく思っている。
沈社長は、「海納百川」(様々なことを受け入れる)という中国のことわざを記した色紙を自宅に飾って、自分の姿勢を常に省みている。
「海にすべての川が流れ込むのは、海が最も低い位置にあるから。低い姿勢でいてこそ皆の水(パワー)が入ってくる。気楽に議論ができる社長でありたいと願っている。気楽に議論ができる社長でありたいと願っている。ワンマン社長には失敗例が多いから。社長が100%正しいなんてあり得ないのだ」(沈社長)

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